「シロアリ予防は必要ないのでは」——そう思って調べている方に、床下を見てきた立場から正直にお伝えします。シロアリ予防は、すべての家にいますぐ必要なわけではありません。築年数や前回の防除からの経過、床下の状態によっては、急がなくていい家もあります。ただ、放っておくと静かに進んでしまう条件があるのも事実です。その線引きを、営業ではなく事実としてお話しします。
この記事でわかること
- 予防を急がなくていい家の条件
- 逆に、早めに手を打った方がいい家の条件
- 「必要かどうか」を自分で確かめる3つの見方
シロアリ予防が「急がなくていい」家の条件
まず、いますぐ工事をおすすめしない家の話から。次の条件が当てはまる家は、あわてて予防をやり直す必要はありません。
- 築5年ほどまでで、引き渡しのときに防除施工の記録がある(建売住宅の多くは新築時に防除を済ませ、保証が付いています)
- 前回の防除から、まだ5年が経っていない
- 床下や基礎まわりに、湿気・水漏れ・木部の傷みが見当たらない
この状態なら、いま必要なのは工事ではなく「次の点検時期を把握しておくこと」だけです。使われている薬剤には効果の目安期間があり、その間はまず心配いりません。不要な工事まで勧めてくる会社こそ、いったん疑ってよいと思います。
一方で、予防を考えた方がいい家の条件
逆に、次のような家は早めに一度見てもらった方が安心です。
- 前回の防除から5年以上が経っている(薬剤の効果が薄れてくる目安です。くわしくはシロアリ予防はなぜ5年ごとで)
- 床下点検口や基礎の近くに、湿気・雨漏り・水漏れの跡がある
- 家のまわりや庭で、羽アリや蟻道(ぎどう)を見かけた(蟻道とは/羽アリが出たら)
- ウッドデッキや増築などで、土と木が接する場所が増えた
これらは、シロアリが動きやすくなるサインです。当てはまっても、すぐ被害があるとは限りません。ただ「見えない場所だからこそ、早めに確かめておく」——それが建物ケアの考え方です。
なぜ「5年」が一つの目安なのか
予防で使う薬剤は、効果が永久に続くわけではありません。年月とともに少しずつ薄れていくため、予防は”一度やれば終わり”ではなく、数年ごとに更新していく考え方になります。ホームキーパーでは、公益社団法人 日本しろあり対策協会の認定薬剤を使っています。5年というのはあくまで一つの目安で、家の環境によって前後します。
必要かどうかを自分で確かめる3つの見方
業者に聞く前に、自分で確かめられることがあります。無理のない範囲で、次の3つを見てみてください。
- 引き渡し書類・保証書を見る:新築時の防除施工と保証期限が書かれています。まだ保証期間内なら、まず急ぐ必要はありません。
- 床下点検口をのぞく:ふたを開けて、湿り気・白い筋(蟻道)・木くず(フラス)がないか。手が届く範囲で十分です。無理に潜らないでください。
- 家のまわりを見る:春から初夏に羽アリ、基礎に土の筋がないか。見つけたら、その部分を写真に撮っておくと相談がスムーズです。
まとめ:不要なら「不要」と言える点検を
シロアリ予防は、すべての家にいますぐ必要なものではありません。「急がなくていい家」に、きちんと”急がなくていい”と言える——それが信頼できる点検だと思っています。必要なときだけ、必要なことを。この記事が判断の材料になれば幸いです。点検やお見積りの窓口は、お住まいの元請け(ご購入時のアフターサービス窓口)です。
この記事を読んだら、次は
□ 工事が必要かどうか迷っている → シロアリ予防はなぜ5年ごと?薬剤の効果期限と点検時期の目安
□ 依頼する場合 → ご購入時のアフターサービス窓口(元請け)へ。売買契約書類・保証書の巻末に連絡先の記載があります
□ 家を長く守る考え方を知る → 建物ケアという考え方
よくある質問
Q. シロアリ予防をしないとどうなりますか?
A. 条件によります。防除歴があり床下も乾いている家なら、すぐ問題になることは多くありません。一方、前回から5年以上・湿気や羽アリのサインがある家は、放置すると土台や柱の内部が食い進まれることがあります。まずは状態の確認からで十分です。
Q. 新築でもシロアリ予防は必要ですか?
A. 多くの建売住宅は引き渡しのときに防除施工が済んでおり、保証も付いています。まずは書類で施工記録と保証期限を確認してください。保証期間内なら、いますぐの追加工事は基本的に不要です。
Q. 予防の効果はどれくらい持ちますか?
A. 使う薬剤や家の環境によりますが、5年ほどが一つの目安です。年月とともに効果は薄れるため、期限が近づいたら点検で状態を見て、更新するかを判断します。
ホームキーパー|家の見えない場所を、診て、守って、記録する。「建物ケア」の会社です。