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2024.10.06

排水管洗浄をしないとどうなる?放置で進む7つのリスクを施工者が解説

排水管の洗浄をしばらくしていなくても、水は今日もふつうに流れていると思います。だから後回しになりやすいのですが、管の内側では汚れが少しずつ層になって育っています。放っておくと、臭い、流れの悪さ、詰まり、という順で進んでいく。この記事では、その進み方を7つに分けて、脅しではなく仕組みとして説明します。

この記事でわかること

  • 放置で進む7つの変化とその仕組み
  • 市販パイプクリーナーと高圧洗浄の役割の違い
  • 洗浄を考えるべき4つのサイン

排水管洗浄をしないとどうなる?放置で進む7つのこと

先にお伝えしたいのは、排水管の不調は「ある日突然」起きるものではない、ということです。

キッチンなら油。浴室なら髪の毛と石けんカス。洗面所なら歯みがき粉や整髪料。毎日少しずつ流れ込んだものが、管の内側に薄い膜を作ります。膜はやがて層になり、層は壁になる。よく「放置の7つのリスク」と言われるものは、この積み重なりのそれぞれの段階で顔を出すものです。順番に見ていきます。

新しい管 膜がつく 層になる 詰まる 臭いが出はじめる 流れが悪くなる 水が流れない 汚れは「ある日突然」ではなく、数年かけて静かに育つ
排水管の断面イメージ:内側の汚れが層になるほど、管は細くなっていく

1. 排水口からの臭い

管の内側に付いた油や食べかすは、時間が経つと腐敗してガスを出します。これが排水口から上がってくる臭いの正体です。臭いは不快なだけの現象に見えますが、実際には「管の中に、腐敗するだけの汚れが溜まっている」というお知らせでもあります。多くの場合、いちばん最初に出るサインです。

2. 流れの悪さ、そして詰まり

層になった汚れは、管の内径を少しずつ狭くします。水を流したときにゴボゴボと音がするのは、狭くなった管の中を水と空気が取り合っているサインです。

そして、狭くなったところに大きめの固形物や油の塊が引っかかると、水が流れなくなります。詰まりは突然の事故のように見えますが、実際には長い積み重ねの、最後の一押しにすぎません。

3. 雑菌やカビが増えやすくなる

排水管の中は、湿度と温度と栄養がそろった場所です。汚れが溜まるほど、ヌメリの原因になる雑菌やカビにとって居心地のいい環境になっていきます。排水口まわりの掃除をしてもすぐヌメリが戻るときは、手の届かない奥に発生源が残っていることが多いです。

4. チョウバエなどの虫が発生しやすくなる

管の内側にヘドロ状の汚れが溜まると、そこがチョウバエなどの産卵場所になります。浴室や洗面所で小さな虫を見かけるようになったら、発生源は排水管の中、というケースは珍しくありません。表に出てきた虫だけ退治しても、中の汚れが残っている限り繰り返します。

5. 配管そのものの劣化が早まる

汚れは、管の材質にもじわじわ影響します。腐敗した汚れが長く触れている部分は、金属の管ならさび、樹脂の管でも傷みが早く進みます。配管は本来かなり長持ちする部材です。その寿命を縮めているのが汚れだとしたら、もったいない話だと思います。

6. 見えない場所での水漏れ

劣化が進んだ管や、詰まりで圧のかかった継ぎ目からは、水が漏れることがあります。やっかいなのは、排水管の多くが床下や壁の中といった、ふだん目に入らない場所を通っていることです。床下で仕事をしていると、住んでいる方が気づかないうちに湿っていた、という現場に出会うことがあります。水漏れそのものより、「気づけない」ことが問題なんです。

7. 対処が大がかりになる

ここまでの1〜6は、早い段階なら「管の中を洗う」ことで対処できます。ですが劣化や漏水まで進むと、洗浄では済まず、部品の交換や配管の工事という話に変わっていきます。汚れのうちに落とすか、傷んでから直すか。同じ排水管の話でも、手間のかかり方がまったく違ってきます。

市販パイプクリーナーと高圧洗浄は何が違うのか

「液体のパイプクリーナーを定期的に流しているから大丈夫」という方は多いと思います。あれが無意味だとは言いません。ただ、得意分野が違います。

市販のクリーナーは、薬剤が触れた面のヌメリや髪の毛を分解するものです。排水口の近くの、比較的新しい汚れには効きます。日常の手入れとしては十分に意味があります。

一方で、層になって固まった油汚れや、管の奥のほうにこびりついた付着物には、薬剤がそもそも届きません。届いても、表面をなでる程度で流れていってしまいます。

プロの高圧洗浄は、ここが違います。先端から後ろ向きに水を噴射する専用のノズルを、ホースで管の奥まで送り込み、水の圧力で内壁の汚れを物理的に剥がしながら戻ってくる。溶かすのではなく、剥がして押し流す作業です。だから、薬剤では歯が立たなかった層状の汚れも落とせます。

役割分担で考えるのがいいと思います。日常のケアは市販のクリーナーで。そして数年に一度、管の中を高圧洗浄でリセットする。この組み合わせなら、7つのリスクの多くは入口の段階で止められます。

洗浄を考えるタイミング|こんなサインが出たら

急ぐ必要はありませんが、次のようなサインがあれば、管の中で汚れが育っていると考えていいタイミングです。

  • 水を流すとゴボゴボと音がする
  • 以前より水の引きが遅くなった
  • 掃除してもすぐ排水口が臭う、ヌメリが戻る
  • 入居から数年、一度も排水管の洗浄をしていない

排水管は住まいの血管にたとえられることがあります。詰まってから慌てるより、流れているうちに状態を知っておくほうが、判断はずっと楽です。サインが出ていなくても、「そういえば一度も中を見たことがない」というだけで、点検を考える理由としては十分だと思います。

私たちが排水管の洗浄に入るときは、作業の前後を写真で記録してお渡ししています。管の中は、住んでいる方が自分で確かめようのない場所だからです。見えない場所こそ、記録で残す。これは床下の点検でも排水管でも変わらない考え方です。

まとめ|排水管洗浄をしないとどうなるかを知っておく

排水管の汚れは、臭い、流れの悪さ、詰まり、劣化という順で静かに進みます。市販のクリーナーで届くのは手前の表面まで。層になった汚れは、高圧洗浄で物理的に剥がすのが確実です。慌てる必要はありませんが、サインが出たら後回しにしない。それだけで、大がかりな対処に進む前に止められます。

なお、建売住宅にお住まいの方の場合、点検やお見積りの窓口は、お住まいの元請け(購入元)になります。気になるサインがあれば、いつごろから続いているかをメモして、まず元請けに相談してみてください。

よくある質問

排水管の洗浄はどれくらいの頻度でやるべきですか?

ゴボゴボ音・水の引きの遅さ・すぐ戻る臭いなどのサインが出たら検討のタイミングです。入居から数年、一度も洗浄していない場合も、点検を考える理由として十分です。

市販のパイプクリーナーを流していれば大丈夫ですか?

日常の手入れとしては有効ですが、薬剤が届くのは排水口近くの新しい汚れまでです。層になって固まった油汚れや管の奥の付着物は、高圧洗浄で物理的に剥がす必要があります。

特にサインがなければ放置していいですか?

汚れは音もなく数年かけて育ちます。詰まってから慌てるより、流れているうちに状態を知っておくほうが判断が楽です。

この記事を書いた人|ホームキーパー施工チーム

年間約4,000件の建売住宅の床下と排水管を点検・施工する、建物ケア専門の施工チーム。しろあり防除施工士が在籍し、公益社団法人 日本しろあり対策協会の認定薬剤を使用。着工前・施工中・完了の写真付き完了報告書を標準でお渡ししています。建物ケアという考え方 →

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